秋月さやか公式サイト:占星幻想館

秋月さやか公式サイト

マンデーン 大惑星同士のコンジャンクション

マンデーン 大惑星同士のコンジャンクション

 占星術は、天空の星の動きから地上に起こる出来事を予測する占いです。占星術は本来、地上に起る出来事を知るために用いられました。それがマンデーンです。マンデーンでは大惑星の配置が重要になります。木星、土星、天王星、海王星。火星は外惑星ですが、大惑星とは認識されません。
 古来、大惑星のコンジャンクションといえば、木星土星のコンジャンクション。大惑星同士のコンジャンクションだからということで、グレートコンジャンクションと称されます。
 
 天王星は、一般的には肉眼で眺めることはできません。が、最大光度が5、6等になることはあり、空気が澄んでいた古代においてなら眺めることは可能であったと主張する人々もいます。
 ウィリアム・ハーシェルが望遠鏡を使用して天王星を発見したのが1781年。しかしそれより前の1690年に、フラムスチードが、天王星を恒星と勘違いして、記録していたようです。が、惑星だと思って記録していたわけではないので、フラムスチードは天王星の発見者ではありません。ハーシェルさえも、天王星を、最初は惑星ではなく彗星だと思っていたようなのです。
 のちに、フラムスチードが観測した星に、フラムスチード番号が与えられます。おうし座34番星といえば、それは誤認された天王星のことで、そのため、現在の星図には、おうし座34番星は存在していません。
 
 海王星は、1846年に発見されました。海王星は8等級の明るさなので、さすがに肉眼で眺めることはできず、計算から予測された結果の発見です。ガリレオ・ガリレイが1612年12月28日〜1613年1月27日にかけて、木星の近くにある天体を観測していましたが、それが実は海王星だったようです。ジェローム・ラランドは1795年、ジョン・ハーシェルは1830年に、望遠鏡を通して海王星らしき天体を観測していたようですが、彼らは、その天体を惑星と考えてはいませんでしたので、発見者とはなりません。
 
 いずれにしろ、トランス・サタニアン、つまり土星以遠の惑星が発見されたのは18世紀以降ですので、古典的な文献に、天王星、海王星のコンジャンクションの解釈が記載されていることはありません。
 
「木星土星コンジャンクション(グレートコンジャンクション)」
 古来より、木星土星の接近は、注目の天体現象でした。すでに2020/12/22 03:22(JST)に水瓶00で起った木星と土星の接近が話題になりました。2020年暮れから2021年明けにかけて、並んで輝く木星土星の姿を写真に撮った方も多いのではないでしょうか。私も撮りましたが。
 土星は約30年で全天を1周し、木星は12年で1周します。土星が1つのサインを通過するには2年半かかり、木星は平均すると1年ごとに1つのサインを移動します。2星が同じ地点からスタートした場合、木星が1周した時点で、土星は、サイン5つほど進んでいます。木星が土星に追い付くには、あと5年かかりますが、5年後には土星はさらにサイン2つ先へ進んでいるでしょう。結局、木星が土星に追い付くのは、スタートから20年後です。その間に、木星はサインを20通過しますから、スタートしたサインから8つ先のサインにおいて、木星は土星に追い付くのです。(サインナンバー1からスタートした場合、1周し、さらにサインナンバー9で土星に追い付く。)
 グレートコンジャンクションは、約20年に一度発生し、社会の変動をあらわすとされます。具体的には約20年は経済の流れが変化するサイクルに相当します。世の中が周期的に変化していくとするサイクル理論にはさまざまなものがありますが、クズネッツの循環と称せられる建築循環の周期は約20年です。コンドラチェフはロシア(ソビエト)の経済学者で、「西側陣営の資本主義経済は40〜60年規模の好不況からなる景気循環を持つ」という理論を提唱したことで知られます。コンドラチェフの大循環は50年周期と書いている人たちもいますが、そうではなく、40年もしくは60年なのではないでしょうか。つまり、20年×2=40年、もしくは20年×3=60年のいずれかであると考えられるのではないか、ということです。
 グレートコンジャンクションは約20年ごとに、スタートサイン(つまり前回のグレートコンジャンクション)の8つ先のサインにおいて発生します。1901年、グレートコンジャンクションは山羊で発生。その20年後、1921年には乙女、1941年には牡牛で発生します。すなわち、同エレメンツを移動していき、60年でエレメンツの3サインを一周するのです。この60年周期は、コンドラチェフの提唱した大循環に近いといえるのではないでしょうか。
 といっても、グレートコンジャンクションは、ずっと山羊、乙女、牡牛と、同エレメンツ・サインの中を巡っているわけではなく、各3回ほど巡ると、次のエレメンツサインへと移動していくことになります。
 1981年は稀有な年で、1981/01/01 06:25(JST)、天秤09でグレートコンジャンクションが発生しました。これは本当なら、1980年に乙女でグレートコンジャンクションが発生すべきであったところ、土星の動きが速く、さっさと天秤へと入ってしまったために発生してしまったイレギュラーな現象です。が、2000年5月のグレートコンジャンクションは牡牛、つまり予定通り地のエレメンツサインで発生しました。
 しかし、2020年暮れに発生したグレートコンジャンクションからは、水瓶(風のエレメンツサイン)に移動します。そして紀元2199年までの約200年間、風のエレメンツサインでのグレートコンジャンクションが発生し続けることになるため、2020年が風のエレメンツにおけるグレートコンジャンクション時代のはじまりになると考えられています。
 一方、地のエレメンツにおけるグレートコンジャンクションの時代は、かなり短いものでした。1842年の山羊にはじまり、2000年の牡牛までと考えるなら、アバウト160年間。が、とにかく、1842年からしばらくの間は、地のエレメンツサインに関する物事が、経済の鍵を握っていたということになります。つまり、土地(国境、あるいは移動、交通)、食糧(食糧生産に関わる地域の気候、品種改良など)、衛生(医療、病虫害)です。
 グレートコジャンクション発生サインが風のエレメンツサインに移動する時代になると、情報伝達(情報操作)に関わる分野、コミュニケーションに関わる分野、契約や法律に関する分野が、経済を大きく動かしていくことになるのでしょう。といっても、だからといって、国境なんてないと思ってごらん、というような世の中になるわけではありません。食糧問題が解決するというわけでもありません。が、食糧の生産、確保に関していうなら、生産地域や病虫害の問題よりも、情報が、大きく関わってくる時代になるということです。
 
「天王星木星コンジャンクション」
 天王星発見は1781年。当時は、アメリカ合衆国独立の時代であったことから(注・独立宣言が1776年、本国イギリスが独立を認めたのが1783年)、天王星は独立をあらわすとされましたが、本来、天王星は土星の伝統を改革する役割を担うと考えるべきです。アメリカ合衆国は、唐突に独立したわけではありませんので。天王星発見直後の1789年、獅子での木星天王星コンジャンクションが発生し、これがフランス革命の年です。
 天王星が1つのサインを通過するには約7年間。その7年間のうちに木星がやってきて、木星天王星コンジャンクションが発生することがあります。が、すべてのサインにおいて天王星木星コンジャンクションが発生するわけではありません。
 最近の天王星の動きとしては、2004年に魚へ入り、2010年に魚で木星天王星のコンジャンクションが発生。2011年には天王星は牡羊に移動しますが、牡羊を天王星が運行しているうちには、木星は牡羊には入らず、天王星木星のコンジャンクションは発生しません。そのかわりに2017年に天秤の木星とのオポジションが発生します。
 2019年に牡牛に入った天王星と木星のコンジャンクションは2024年に発生。→2024/04/21 11:28(JST)牡牛21
 その後、2025年〜2026年にかけて天王星が双子に移動します。しかしそれから約7年間、天王星が双子を運行している2032年までに、木星は双子にはやってきませんのでコンジャンクションは発生しません。2031年に射手の木星とオポジションが発生します。2032年になると天王星は蟹へと移動、2037年に蟹で天王星木星のコンジャンクション発生。
 木星天王星は、経済を活性化するような新たな流行やブームをあらわすと考えられ、その流行は約14年サイクル。人間は好奇心が強く、飽きっぽい性質ですので、新たな社会現象やブームは、人々の経済活動に大きな影響を与えます。
 
「天王星土星コンジャンクション」
 土星と天王星とのコンジャンクションに関しては43年〜47年ほど(45年前後)の周期で発生します。
 天王星が発見された1781年は、産業革命のはじまりでもありました。土星天王星コンジャンクションは、技術改革と、それに伴う古い伝統の衰退をあらわすサイクルと考えられます。技術改革の流れの中で、約45年のサイクルで、発展していく産業と衰退していく分野が発生することになります。
 1805年天秤で発生したコンジャンクションが、天王星発見後、はじめての土星とのコンジャンクション。その後、1852年牡牛、1899年射手、1942年牡牛、1988年射手、そして2032年には双子から蟹において発生。
 ジェームズ・ワットの蒸気機関が誕生するのは1769年ですが、蒸気機関が普及した背景には、馬の飼葉代の高騰があり、それまで馬に頼っていた炭鉱の動力を蒸気機関に置き換える流れとなっていきます。
 1855年の牡牛での土星天王星のコンジャンクションについては、アーク灯の実用化、あるいはセルロイドをはじめとするプラスチック製品の普及でしょうか。
 1890年代に発明されたものとしては飛行機(注・ライト兄弟の初飛行は1903年)、そして鉄道建設。1877年に発明された電話機が普及していくのも1890年代以降です。
 1940年代は、原子炉と核兵器。
 1988年の射手での土星天王星コンジャンクションは、パーソナルコンピュータと、一般人が利用できるインターネットサービスの普及。
 2023年は、1988年の射手での土星天王星コンジャンクションの時代の流れの中にいる、ということになります。そして、それまでの経済の構造が大きく変化していくことによる歪もあらわれてくるのでしょう。
 
「海王星木星コンジャンクション」
 海王星と木星のコンジャンクションは、12〜13年に一度の頻度で発生します。集団幻想、そして、帰属する集団への期待、つまり宗教や福祉と関連します。また、人々が望む豊かさの形、貨幣価値にも関連しています。
 1856年には魚での木星海王星のコンジャンクション、1869年牡羊、1882年牡牛、1894年双子、1907年蟹、1920年獅子、1933年乙女、1946年天秤、1958年蠍、1971年射手、1984年射手から山羊、1997年山羊、2009年水瓶。最近の木星海王星コンジャンクションは2022/04/12 23:44(JST)に魚23で発生しましたが、これは宗教の問題をあらわしているのでしょう。宗教に対する期待と幻滅の周期。帰属集団に対して人々が求める期待の形は、約13年周期で変遷していくということになりますが、同時に約13年間の周期で、期待と幻滅が繰り返されるというように考えることができるのかもしれません。
 宗教、オカルトに関する流れをざっとみていきましょう。
 1856年の魚での木星海王星コンジャンクションは、日本においては幕末の新宗教。1896年牡羊、日本では神仏分離令施行。1882年牡牛では壬午事件(じんごじけん)。閔妃にお告げをもたらした巫女の信者が王宮を占拠し、李氏朝鮮が混乱した時代。ヨーロッパでは神智学協会のブーム。そしてイギリスの心霊現象研究協会設立(一時、コナン・ドイルも参加)。
1894年双子では朝鮮における東学(儒仏道をもとにした新宗教)の乱。それが日清戦争のきっかけとなります。
1907年蟹は、日本における千里眼事件。1910年獅子では、アレイスター・クロウリイが火星の霊を呼び出したとか、ユリウス・カエサルと霊的インタビューを行うなど、とんでもなくいかがわしいことをやっていた時代です。
1923年乙女では、テーブル・ターニングがアレンジされたコックリさんが日本において広まり、浅野和三郎の心霊科学研究会設立。
1933年天秤、日本においては戦時中の宗教団体弾圧、生長の家や世界救世教。ドイツでは予言者エリック・ヤン・ハヌッセンの活躍。
1946年蠍、UFOなど未確認飛行物体のブーム。
1958年射手、ヒッピー文化、日本では戦後の新興宗教団体ブーム。催眠術。
1971年射手、ニューエイジムーブメント、超能力ブーム、おまじないブーム、自己啓発セミナー。「ボルテックス」と呼ばれる大地の力が放出されるパワースポットとしてセドナに注目が集まる。
1984年射手から山羊、オウム事件、臨死体験、前世の記憶、転生。チャネリング、パワーストーン。
1997年山羊、世紀末のオカルトブーム。
2009年水瓶、パワースポット、ヒーリング、オーラ、守護霊。御朱印ブーム
 
「土星海王星コンジャンクション」
 土星海王星は、35年前後のサイクルでコンジャンクションが発生します。景気のサイクルに関連し、お金の流れや資源確保の紛争、経済戦争に関連します。経済の偏り、すなわち貧困とも関連しています。株価上昇、そのあとにやってくる不況のサイクルを発生させることもあります。
 株式(投資)のルーツは東インド会社で、まさに、ガリレオ・ガリレイが気づかずに海王星を眺めていた頃です。のちに資源の争奪戦、植民地政策が広まり、そして海王星が発見されたのが1846年。
 1846年には、水瓶で土星海王星コンジャンクション。1883年牡牛、1917〜1919年獅子。不動宮が続いたと思ったら、1950年には天秤へと移動し、1989年には山羊、2025〜2026年には牡羊と移動していきます。多少のずれはあるとしても、クオリティごとに、約100年ほどの周期で移動していくことになります。覇権の循環サイクルは約100年周期であるとされていることと、なんとなく一致しているのではないでしょうか。土星海王星コンジャンクションについては、その瞬間に出来事が発生するというよりも、サイクルの目安です。
 アヘン戦争は1840年に行われ、1842年に香港がイギリスの領土になり、 ヨーロッパ勢力によるアジア植民地の歴史が始まります。イギリス領インド帝国は1858年に成立、水瓶での土星海王星コンジャンクションは1846年ですが、これはヨーロッパ諸国による植民地支配に関わるものでしょう。
 1883年頃には、製糖会社がサトウキビプランテーションを経営。日本では官約移民制度のもとで、日系移民がハワイの砂糖産業における中心的な労働力となる。
 土星海王星が獅子でコンジャンクションになったのは1917〜1919年、第一世界大戦は1914年7月28日に起こり、終結が1918年です。日本では1920年に企業の倒産が相次ぐ「戦後恐慌」が起り、米の価格が下落。アメリカは空前の好景気にあり、株価が高騰しますが、その結果、1930年の「世界恐慌」により、株価暴落、失業率上昇。
 
 1950年、朝鮮動乱による、日本経済の回復(特需)、1954年からはじまった好景気は「神武景気」と称されました。
 1989年、日本が好景気にあった頃には山羊で土星海王星コンジャンクションが発生、その後、1991年〜1993年に、日本におけるバブル崩壊。なお、ベルリンの壁崩壊は1989年、ソ連解体は1991年です。
 しかし1989年の土星海王星コンジャンクションについては特殊で、この時には天王星も山羊にありました。1989年といえば、ベルリンの壁崩壊です。
 といっても、海王星が発見されたのが1846年、それからまだ176年しかたっておらず、歴史はすべてのサインにおける海王星土星のコンジャンクションを経験したわけではありません。
 さて、2023年に魚に入った土星は、魚の終わりを運行している海王星に接近していきます。が、魚にあるうちに海王星に追い付くことはできず、海王星は2025/03/30 21:01(JST)に牡羊へ入ります。その直後に土星も牡羊へ。2星が限りなく接近するのが2025/07/13 牡羊01。ぴったり重なるわけではありませんが、しかしもしも望遠鏡で眺めたとしたら、土星の近くに寄り添って輝く光が見えるのでしょうから、コンジャンクションと考えてもOKです。なお、土星が海王星を追い抜く、つまりぴったり0度になるコンジャンクションは、2026/02/21 01:54(JST)牡羊00です。
 では、2025〜2026年にはどのようなことが起こるのか。それは現金の匿名性が失われていくことです。これは、取引記録を伴うようになった時点で、すでに予測されていたのかもしれません。それどころか、いまや現金をまったく持たない生活も可能です。取引データが伴わない現金は不法所持に近いものになり、すべての取引が管理される時代に入ります。となれば、たしかに現金は必要なくなるわけです。
 
「天王星海王星コンジャンクション」
 天王星海王星のコンジャンクションは、170年ほどのサイクルで発生します。といっても、海王星発見が1846年。海王星発見後、最初の天王星海王星コンジャンクションは、1990年代、山羊で発生。
 これが何を意味しているのかについては、さまざまに議論がなされています。1つには、既成の宗教を人々が必要としなくなる、ということではないでしょうか。宗教批判はすでに起こり、神が実在しないということも、現代人の我々はもちろん知っています。が、だからといって宗教というジャンルが消えるわけではありません。となれば、宗教は今後、どのように改革されていくのでしょうか。
 
「木星冥王星コンジャンクション」
 約13年ごとに発生し、経済動向に関連する出来事が発生するとされ、プルトクラシー(金権政治)の傾向が強まるとも考えられているようですが、実際にはどのように関連しているのか、よくわかりません。参考までに、木星冥王星コンジャンクションが発生したのは、1981年天秤、1994年蠍、2007年射手、2020年山羊。
 
「土星冥王星コンジャンクション」
 33年ほどの周期で発生します。冥王星は1930年に発見されたため、まだ1947年獅子、1982年天秤、2020年山羊の3回しか発生していません。
 
「天王星冥王星コンジャンクション」
 1966年頃に乙女で発生している配置です。

秋月さやか

占術解説 > マンデーン 大惑星同士のコンジャンクション

この記事のURL
今日の月暦