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ヘチマだって瓜なんだから・・・

 先日、野菜や花の種を買おうとして園芸メーカーの通販カタログを見ていたら、ヘチマが載っていた。 「ヘチマ水、ヘチマタワシ、そして小さい実は食べられます!」
 そう。ヘチマ、食べられるんだよ、でも・・・。
 
 私が子供の頃の話。私の母は、かなりの節約家で、とにかくお金を使うのが嫌いな人だった。今風に言うと、エコな節約家。
 夏になると、必ず庭にヘチマの種を蒔く。ヘチマは役に立つ。まず、日よけ(冷房代節約)。そして茎からはヘチマ化粧水。実は乾かしてから切ってスポンジに。小さい頃からアレルギーで敏感肌の私だけれど、ヘチマ化粧水、ヘチマタワシはOKだった。

 ヘチマは実が小さなうちに、間引きをする。大きくする実だけを残し、小さいうちに、幾つかをもぎ取るのだ。母は、この小さな間引きヘチマがもったいないので、味噌汁に入れてみよう、と言い出した。「へちまなんて、戦時中じゃあるまいに、食べることないじゃないの。」と、祖母は反対したけれど。
 
 もちろん食べられるが・・・。う〜ん、なんというか、育ちすぎて固い筋の入ったキュウリを食べているような、そんな感じで、あまりおいしくはなかった。ヘチマは「糸瓜」と書くのだが、まさに、糸のように筋だらけ。問題は、この筋なのだ。
 「もっと小さいうちに取れば、柔らかいのかも知れないのに」と私が言うと、「あまり小さいんじゃあ・・・少し育ったほうがいいに決まっている」と言う。そのほうが、たくさん食べられるだろう、と。「でも、筋が固いのは、育ちすぎだからじゃないの?」と私。「もっと時間をかけて煮物にすれば」とかなんとか母は言い出し、その後、瓜がベロベロに溶けたような妙な料理が、一度、食卓に上ったことはあったかも知れないような記憶がかすかに脳裏の片隅に残っている。(・・・ような気がするが、正直なところ、あまり思い出したくない記憶なのだ。)

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 半分、トラウマともいうべき記憶を手繰り寄せながら、私が、ぼ〜っとカタログを眺めていたら、「何?どれ買うの?」と家人に聞かれた。で、成り行き上、子供の頃のへちまの話になったわけで。
 「お、ヘチマの味噌汁?食べてみたいなあ」と家人は目を輝かせる。 「でも、食べるなら、小さいうちに取ったほうがいい、絶対。」と、言っている側から、突然、あの筋っぽい感じが口の中に蘇ってくるような感触・・・。ああ、思い出したくなかったのに。
 
 スイカの皮は、漬物にするところもある。一番上の固い皮を剥けば、これは案外、おいしい。しかし、ヘチマの皮は・・・。
 だいたい、糸瓜という文字から、私が最初に連想したのはマスクメロン。「ねえねえ、糸瓜(イトウリ)って、マスクメロンのこと?」と、私は聞いたぐらいだから。マスクメロンは、ネットメロンという名称で呼ばれることもあるし。
 
 以前、北海道に行った時に、夕張でメロンの漬物を見つけた。間引きしたメロンの漬物。現地では、漬物以外にも、炒めて食べたりするという。試しに買ってみた。うん、おいしい! 
 瓢箪漬け、というのは、どこかの道の駅で見つけたことがある。スイカ、ヒョウタン、キュウリ、ズッキーニ、メロン、マクワウリ、ニガウリ・・・。そして、ヘチマだって、瓜なんだから・・・そう、瓜なんだから!食べられるんですよ!メロンの漬物があるなら、小さいヘチマの漬物なんて、いかにもありそう。ヘチマ漬け、村おこしかなんかで、作っているところないでしょうか〜?
 
 ところで、ヘチマ化粧水は、これはオススメ! 作り方は簡単。適当に育ったヘチマの茎を、地面から50?ぐらいのところで切り、逆U字型にして下に向け、茎の先をガラス瓶に入れる。ペットボトルでもいいでしょう。すると、茎から水が出て瓶にたまる。これをそのまま使うだけです。自宅で新鮮な化粧水作りができちゃうんですよ!
 このヘチマ水、もちろん飲めます。糸瓜水、民間療法では痰をきるとされる。糸瓜は本来、初秋(8月)の季語であるが、俳人、正岡子規が亡くなった日(9月19日)を糸瓜忌と称するのは、糸瓜を詠んだ句を遺作としたから。 「をとといの 糸瓜の水も 取らざりき」(正岡子規)

秋月さやか


写真:素材辞典

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