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大掃除、年に一度の潔斎呪術

「いわう」という言葉は不思議な言葉。
「いわう」「斎う・祝う」(幸福、安全を求めて、呪術を行い、守るべきことを守る意。)
(平安であるよう)まじないをする。まじないをして安全を祈る。
(けがれを避けて)身を清める。潔斎する。
(広辞苑 第四版 岩波書店)

 祝い事というと、どんちゃんさわぎで「飲めや歌え、踊れや食え」を想像する人も多いけど、あれは、祝い事の後の宴会。 宴会の前の儀式が「いわう」。それは招福のまじないだったり、穢れをはらう潔斎だったりするが、そのどちらもが「いわう」。
 つまり、日本の祝い事は、招福と精進潔斎と一体なのである。穢れや忌を払い、そして幸福を祈願する。逆に言えば、斎い事の裏には、厄を払った後の招福があるということである。
 そう、まず穢れを払うこと。それは招福呪術の効き目を強めるために必須! というと・・・年末の大掃除。大掃除・・・である。年末年始の「いわい事」は、「斎い事」である大掃除と、年明けの「祝い事」(お節や福笑い)とで、一体になり、完成するのだから。
 
 というわけで、というか・・・新年を迎える前には、大掃除は、どうしてもしないわけにはいかんのですよ。
 私、掃除が苦手です。「掃除なんてしなくても、なんとかなるって」と常々言ってきたのですが、なんとかなりませんでした。アレルギーやらなにやらもあり、掃除は必須。掃除ロボットを使ってみようかと思ったり、いっそ犬の足にモップをつけて掃除させようと考えてみたこともありましたが・・・。
 日頃の掃除が面倒なので、「まとめて大掃除の時にやればいいや」と後伸ばしにするようになり、12月になると「はあ〜逃げられないな」とため息が出てくる。家事サービスを頼もうかと考えたこともあるのでございますが、家事サービスの人がやってきた時に、とりあえずみっともなくない程度ぐらいにはしておかなければ・・・となると、結局・・・。という次第。
 
 掃除苦手のみなさま!それでも大掃除をしたほうがいい理由があるので、私は、なんとか年末の大掃除に果敢にも立ち向かっております! そう、これは呪術!と自分自身に言い聞かせながら。
 年末年始は忙しい、という人も多いでしょう。でも、形だけでもいいから、年末には大掃除の真似事をすることをおすすめします。最低限、玄関、トイレ、風呂場の掃除だけでも。この際、大掃除でなく、中掃除でも、小掃除でも。
 そして大晦日でなくてもかまいません。12/26〜12/31までのいずれか。あるいは、もっと早く冬至の前に済ませてしまう。それもダメなら、いっそ、立春前の節分あたりに。
 
 大掃除は、古いものを捨てるタイミングでもあります。捨てる決心がつかない物があるなら、保管箱に入れて片付けましょう。とにかく、散らかったままにしておいてはいけません。大掃除は、澱んでいる気を追い出し、状況を整理しなおす呪術なのです。そして、これをきちんとしておけば、招福の基本はすでに行ってしまったことと同じになります。
 

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 なぜかといえば・・・。それは呼吸法を考えるとよくわかります。人は呼吸しなくては生きていけません。呼吸とは古い気を吐き出し、新たな気を取り込む行為。そして健康を保つためには呼吸法が大事。神道などでも呼吸法を学ぶ機会は多いのですが、そこではまず、息を吐く、と教えられます。すべてを吐ききる。肺の奥に溜まっている気まで、すべて吐ききってしまう。吐くことが何よりも大事なのだと。息を吐ききった後には、自然と新しい気を吸うことになります。それが体の構造だからです。つまり、吐くことだけをきちんと意識すれば、新しい気は自然に取り込むことができるから、息を吸うことは、特に考えなくてもよい、というのです。
 澱んだ気が溜まっている人というのは、息を吐ききらないままに、次の気を吸おうとしているわけなので、無理があるのだといいます。だからまずは澱んでいる気をすべて吐き出しなさい、と教えられるのです。息を吐き出す=たまったゴミや埃を追い出す。そうです。これで大掃除がいかに大切なのか、わかっていただけたことでしょう。(と、私も常々自分に言い聞かせておりますよ〜。)
 
 さて、大掃除後、年越しにあたっての開運呼吸法の呪術をお教えしましょう。
 大晦日、夜遅くに、戸外に出ます。除夜の鐘が鳴り響く頃がいいでしょう。息を思いっきり吐いてください。すべてを吐ききる。吐ききったら力を抜いて、自然に新しい気を吸う。これを3回やればOKです。古い気を払って、新たな年を迎えましょう!

秋月さやか


参考文献:広辞苑 第四版 岩波書店
画像:素材辞典

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