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占星解説 2025

2025年のマンデーンを読む

2025年のマンデーンを読む

 マンデーンを読むにあたって必要なもの2つ。1つめは春分図。2025春分 00Ari 2025/03/20 18:03(JST)Tokyo
 これは12サインの始点が春分点である、という理由によるものです。

 2つめは惑星トランジット。2025年、木星は双子から蟹へ。そして木星以外の大惑星、土星、天王星、海王星もサインを移動します。土星、海王星は魚から牡羊へ、天王星は牡牛から双子への移行期にあたっています。冥王星はすでに2024年11月に水瓶へと移動しています。

1 まずは春分図から解説していきます。
 春分図とは、春分の瞬間のホロスコープです。春分は太陽が黄道と天の赤道の交点のうちの1つ、黄経00度に太陽がやってきた瞬間です。

 春分図の星の位置は、地球上のどこにいても同じ。が、首都の経度によって、上昇度数(正確には天頂の黄経度数)が異なります。
 2025春分 00Ari 2025/03/20 09:03(GMT)→03/20 18:03(JST)これを東京(首都)で作成します。明石(標準時)と東京との経度差から、標準時との時差、19分をプラス。(これはホロスコープ作成ツールが自動でやってくれるので、知らなくても問題はありませんが。)

 東京(首都)の緯度経度は以下。この緯度経度がどこかというと、港区麻布台2-18-1、の日本経緯度原点(旧東京天文台跡)
 ⇒ 日本経緯度原点 東経139°44′28.8869” 北緯35°39′29.1572”19

 春分図は国体を占うものであるので国会議事堂の緯度経度で作成すべきという意見もあるかもしれません。
 といっても、麻布台と国会議事堂、ちょっと遠いけど歩こうと思えば歩けないわけではないというぐらいの距離、緯度が39′と40′、1′違うだけですが。
 ⇒ 国会議事堂 東経139°44′41.9″ 北緯35°40′33.2″
 2025春分図 00Ari 2025/03/20 18:03(JST)Tokyo
  上昇03Lib
  太陽00Ari
  月06Sag
  水星07Ari
  金星04Ari
  火星20Can
  木星14Gem
  土星23Pis
  天王星24Tau
  海王星29Pis
  冥王星03Aqu
 重要なのは上昇支配星(アセンダントルーラー)です。2025年春分図、日本(東京)における上昇は天秤で、天秤のルーラーは金星。

 日本以外の国、たとえば韓国(ソウル)で2025年春分図を作成すると、上昇は乙女、支配星は水星ですので、ここが違う。
 ソウルにおける上昇サインと東京における上昇サインが同じになる年もあり、となると上昇支配星も同じになりますが、しかしだからといって、日本と韓国で同じ出来事が起こるわけではありません。上昇の度数が異なるだけでなく、起っている物事が違うので、支配星(ルーラー)が意味している事象もまた異なるのです。
 さらには、日本と韓国では、国家開始図が違います。私はサンフランシスコ講和条約の発効日(1952/04/28 22:30JST Tokyo)を使用しています。日本政府がこの日を日本主権回復の日としているため。(国家開始図の日時については、占星術家によって見解が異なります。)
 韓国の国家開始図は1945年8月15日(正午)、光復節と呼ばれる独立記念日となります。

 さて、2025年、日本(Tokyo)での春分図の上昇は天秤、上昇支配星は金星、04牡羊で逆行中、その金星がディセンダント付近に位置します。
 マンデーンでは7Hは対国外、海外の国との関係性です。そこに金星がやってくるとなれば、日本においてはまさにインバウンド(Inbound)の活性化でしょう。
 富士五湖地方と都内を結ぶ高速バスは、観光客増加で、昨年から簡単に予約がとれない事態になっていますし、2024年桜のシーズンの都内の宿泊料金は高騰していました。オーバーツーリズムで、その悪影響を国民が受けています。インバウンド関連の事業はさらに拡大しそうです。2025年の日本の春分図では、海王星、太陽、金星、水星がディセンダントラインに集まっている配置ですので、ますます観光大国への道を走っていくのでしょう。
 しかし、金星逆行です。それに伴って支出も増大。税金を投入して、おもてなし、日本の観光施設等が海外資本に買い取られているという動きも気になります。

 金星は水星とコンジャンクション、そして3Hの月とトライン。話題になるような外食産業、エンタメ。SNSは3Hとも関連しています。そして3H月と9H木星のオポジション。広告ビジネスはいまやSNSを抜きにしては考えられません。
 廉価で手軽な外食産業とポップなエンタメが中心の世の中になるのでしょう。海外からやってきた旅行者にとっては、ワンダーランドです。しかし、このインバウンド好景気はいつまで続くのか、日本のインフレはどうなっていくのか(たぶん加速するのでしょう)、かなり心配なところではあります。

 日本の場合、太陽は春分図の6Hになるので、社会保障(年金を含めた)問題は重要です。が、社会保障(年金)だけをあてにした老後はすでに難しく、iDeCo(イデコ)なども含めて、国民ひとりひとりが国に株式投資をして老後の資金を作る必要がある世の中がやってきてしまった、というべきでしょう。そもそも、年金が株式投資で運営されているということ自体もある意味では驚きなのですが。(注・GPIF「年金積立金管理運用独立行政法人」が、外部の金融商品取引業者に運用を一任している)

 海王星土星のタイトな合(コンジャンクション)は2025年内にはまだ発生しません、しかし、海王星土星は、すでにコンジャンクションと見なしていいほどに接近しています。2星が限りなく接近するのが2025/07/13 牡羊01。ぴったり重なるわけではありませんが、望遠鏡で眺めたとしたら、土星の近くに寄り添って輝く光が見えるのでしょうから、コンジャンクションと考えてOKです。なお、土星が海王星を追い抜く、つまりぴったり0度になるコンジャンクションは、2026/02/21 01:54(JST)牡羊00です。

 では、2025~2026年にはどのようなことが起こるのか。(以前にも書きましたが)、海王星土星は曖昧さを管理します。まずは、現金の匿名性が失われていくこと。いまや現金をまったく持たない生活も可能です。が、取引データが伴わない現金は不法所持に近いものになり、すべての取引が管理される時代に入ります。
 そして、経済的な格差が広がります。
 前回の海王星土星合(コンジャンクション)は、1989年山羊において。その前は1950年に天秤。海王星土星コンジャンクションは、クオリティごとに、約100年ほどの周期で移動します。1989年の山羊におけるコンジャンクションでは、日本は一時的な好景気、その後、1991年~1993年に、日本におけるバブル崩壊。

 曖昧な海王星を統制する土星、となると、資本主義(投資という意味の)は行き詰まり、年金を含めた国家(という管理組織への)投資へと移行していく、ということなのかもしれません。もちろんこれは、日本だけの問題ではありませんが。

 すでにして資本主義経済には限りが見えてきています。すなわち「資本主義社会の終焉」です。これについては、多くの経済学者が論じていますが、資本主義が衰退してきている、ということだけは誰しも実感しているのではないでしょうか。資本社会は、投資によって成り立っています。投資に対するリターンがなければ、どのような企業も経営が成り立たない。投資者もしかりです。結果的に利益を生み出さない仕事は世の中に存在しない。薄利多売の時代、企業は合併し、巨大になることで効率化を図ります。しかしその結果、多様化が失われていくような印象です。それはいずれ、多様化の選択肢を受け入れることのできない社会へと繋がっていくような気がしてなりません。

 海王星土星は、スピリチュアリティな世界の統制にも繋がっていくのでしょう。といっても、スピ系の世界には規制がなさすぎですし、お金の流れも不明瞭なので、ある程度の規制は必要のように思いますが。海王星土星のコンジャンクションは、曖昧さへの不安にもつながりますので、保険関連の仕事は伸びることになりそうですし、いわゆる厄除け、不安の解消といったビジネスも拡大していく、つまりは不安感につけこんだ霊感商法も横行することになるのでしょう。気を付けたいものです。

 2025年の春分図では、蟹を運行する火星が10Hにあり、魚を運行する土星がトライン。日本国民は若い指導者を求めています。もう年配者には期待できない、という風潮も高まっています。
 しかし春分図の月(射手)と火星との間には強いアスペクトはありません。政治家には月が重要というのはよく言われることで、大衆に人気がないと政治家にはなれない。日本の場合、アメリカのような国民選挙を経て首相が決まるわけではなく、総裁選で首相が選出されますので、党が考えている有望な若手と、国民が求めている若手とのイメージが必ずしも一致してはいない、ということがしばしば起るのでしょう。

 2024年9月の自民党総裁選で石破氏が選出されました。
 石破茂(いしばしげる)1957年2月4日、地方こそが新しい時代を創り、歴史を変える、という「石破ビジョン」ですが、具体的にはどのような流れになるのでしょうか。石破氏は60代、これまでの政治家層に比べれば若いというべきですが、国民の反応はどうなのか。出生時刻不明ですが、太陽天王星のオポジション、火星海王星のオポジションが印象的です。

 国家開始図のプログレスをみるべきかどうかは迷うところですが、2025年のプログレス(つまり73年め、73日めにあたる)ではP太陽とP天王星がコンジャンクション(合)。天王星は15蟹、太陽は17蟹、金星が20蟹。そして2025年の春分図の火星が20蟹。まさに変革です。が、P金星にT火星。一時的に景気がよくなったように感じるものの、長続きはしなさそうです。2025年春分図の土星は、T火星にトラインですので、前々から問題になっていることをようやく改革するタイミングということになり、改革そのものはゆっくりと進んでいく感じです。

 おわりに。毎年書いていることですが、占星術とは星の配置によって地上の運勢を読みとる術です。しかしそれは「星の配置に地上の運勢が左右される」ことではありません。地上の動きを知らなければ、天を仰いでも何もわかりません。私の師同然であったルル・ラブアさんは、「新聞を読みなさい、経済学を勉強しなさい、世の中を知りなさい、でなければマンデーンはできない」とアドバイスをくださいました。占星術を学んだだけで株で勝てたりはしません。株の専門家が占星術をやってこそ、知識を活かせるのです。
 予兆を読みとるのがオカルティストと称される人々ですが、オカルティストは占い師であるとは限りません、科学者、政治家、そして芸術家かもしれません。ただし、オカルト理論にはおおいなる勘違いもたくさん含まれています。99の瓦礫とたった1つの原石。そのぐらいの比率かとは思いますが、マンデーンから役立つ何かをひとつでも読みとっていただければ幸いです。

占術研究家 秋月さやか

2025年 春分図

1952/04/28

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