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筆者エッセイ

鮎ってナマズ?土用の鯰

 道の駅で、鮎や虹鱒を売っている、夏の風物詩ですね。スーパーの魚売り場にも、鮎や虹鱒が目立つ季節です。
 
 ところで鮎。この文字、どうして魚に占うなのか。いろいろと資料を探したのですが、どこにも何も書いてありません。
 鮎といえば、長良川の鵜飼。古来より続いている伝統漁ですが、そのあたりにルーツがあるのか、という推測もしました。つまり、神事である鵜飼で取れた鮎の数で、その年の豊作を占うとか・・・。であれば、これは一度、鵜飼を見にいかねばならぬ。
 
 しかし、どうやらこの推測は大ハズレだったようなのです。
 「TV Bros」7/25号の特集コラム「ちょっといい漢字」その4に、 『「鮎」という漢字、元々中国で「ナマズ」を意味する漢字だったのを・・・』と書いてあるのを発見。
 なるほどぉ。鮎はナマズだったのね。ナマズならありえるでしょう。地震を察知する、つまり天変地異を占う魚、ナマズ。
 
 ナマズは、土の象意をあらわす魚。泥の中に住んでいるから。
 夏の土用に鰻を食べますよね。これは、江戸時代から始まった流行で、日本だけのものですが、夏の土用は体力が落ちるので、鰻で栄養を付けて・・・ということ。さらには、土用だから、土をあらわす魚、つまり泥の中に住んでいる鰻が最適だろう、と。まあ、ドジョウだっていいし、ナマズだってOKなわけです。

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 以前、筑波山周辺で、ナマズ料理屋を見つけました。
 (筑波山には要石があり、これが地中のナマズを押さえているので地震が起こらない、という伝説があるのですが)。
 ナマズは白身の魚で、天麩羅や唐揚が美味。でも、蒲焼にできないこともないかも。日本では、ナマズは泥臭いといってあまり食べないようですが。東南アジアでは、ナマズを食用にしているところも多いようですし。
 
 夏の土用は立秋前の18日間にあたり、暑中見舞いを出す時期。となると、暑中見舞いに土用のナマズ! これ、効きそうです。どこかの村起こしにいかがでしょうか?

秋月さやか


参考資料
TV Bros 7/25号 漢字物語より一部引用
現代暦読み解き事典 柏書房
素材事典(画像)

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