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失恋の傷を癒す硫黄泉

「お医者様でも草津の湯でも・・・」恋の病は治せない、という。でも、「恋の病」って、いったいどんな病なのでしょう?
 
 「好きな人のことしか考えられなくなって、熱があるみたいで、ゴハンも喉を通らなくなる、そんな状態。」と、知人のOさんは言った。まあ、一般的にはこれが「恋の病」と称されるものでしょう。
 しかし、友人Sはこう言った。「好きになればなるほど辛くなる状態があるの。もっと愛して欲しい、一緒にいたい、嫌われたらどうしよう、浮気なんてしないわよね、って。考えれば考えるほど辛いのよ。本当はあれを恋の病っていうんじゃないかな、って。」たしかに友人Sの恋の悩み相談、よくつき合わされた。
 そして仕事仲間のJさんはこう言った。「失恋してボロボロ。失恋すると、誰だってフツーじゃなくなるでしょ。あんなに辛い心の病気はないわ。いえ、病気というより、傷。」たしかに。
 
 つまり、恋の病にはたぶん3つの種類があると思う。 1・恋の始まり微熱病。誰かを好きになり、その人のことしか考えられなくなる。つきあう前、つきあい始め、いずれも、熱に浮かされたみたいになる。
 
2・恋の悩みストレス病。嫉妬とか喧嘩とか、将来への不安とか・・・いわゆる恋のストレスが引き起こす精神不安定状態。苛立ちや不眠を伴う。
 
3・失恋病。相手にふられた場合はもちろんのこと、「こんなヤツ、別れてやるっ!」と決意した別れでも傷となる。自暴自棄、喪失感、無気力などの症状があらわれる。
 
 恋の病の中で、一番辛いのは失恋病に違いない。そして、失恋に効く薬はない、という。もしあるとするなら、それは「忘れること」。
 「だから、仕事に没頭して気を紛らわせようとしているの。」と、Jさんは言う。「誰でもいいから他の相手と付き合って、その人のことを思い出さないようにする。」というのは友人S。「しばらく旅行するかな。あ、留学もいいかも。」とOさん。いずれにしろ、過去を思い出さないようにする、あるいは忘れるのが最善の策らしい。
 

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 タロットでは、残留思念の消去、という作法がある。つまり、何かを占おうとする場合、その前に占った物事の残留思念に影響されないために、占いの場をクリーニングするのである。使用するものは硫黄。硫黄の粉をテーブルにパラパラとふりかけ、ふき取る。と、古典的な魔術書には指示されていることが多い。
(ただし、手が荒れるので、あまりこの方法はおすすめできません。それに硫黄は毒です。硫黄の粉、あるいは塊を小さな瓶に入れたものを置く、といったような省略形がおすすめです。)
 ところで硫黄ってどこで買えばいいんだろう、薬局かな?思って調べてみたけど・・・、いえ、もっと簡単に硫黄の粉を手に入れる方法があった!
 「湯の花」。温泉地の土産物屋で見かけた「湯の花」って、もしかして硫黄。そうそう、草津の温泉街で買ったものがどこかに・・・。と、探し出してみたら、成分は硫黄泥。まあ、これでいいや。結局私は、タロットリーディングの残留思念消去に「湯の花」を使用していた。残留思念の消去というのは、つまりは過去の囚われの消去。となると・・・。
 
 「湯の花」を自宅のバスタブに入れると、瞬時に温泉の湯になる。ただし、追い炊き構造(バスタブから風呂釜に接続されている)のバスタブでは使えません。念のため。  やはり温泉は、自宅の風呂ではなく、旅先でゆっくり浸かりたいもの。白濁した湯の中に、ストレスが溶け出していくようなあの感じ。お湯に入るだけで癒されるように感じるから、温泉って不思議。
 
 そして失恋の傷を癒したいあなた。ゆっくりと硫黄泉に浸かってみてはいかがでしょう。最近は女の一人旅も珍しくありません。白濁したお湯の中で、過去の囚われを流し、そして心の傷を癒しましょう。

秋月さやか

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