ムーンラボカフェ

狐と狸がここだけ占い話

星に願いを・・・お願いお星様っ!

 夕涼みにビールでも、と集まった3匹。とりあえず「かんぱ〜い!」 ぐびっ、とグラスをあけて、夜空をみあげたとたん、流れ星!

画像:coon

狢(むじな)「あ、流れ星だ!」
狸(たぬき)「あ、光った、ほんとだ〜。」
狐(きつね)「モウカリマスヨウニ・・・モウカリマスヨウニ・・・モウカリマスヨウニ!」
 
狢(むじな)「あれ?呪文なんか唱えてどうしたんだ?」
狸(たぬき)「南妙法蓮華経?ダルマサンガコロンダ?」
狐(きつね)「呪文ではない。念仏でもない。願い事だ。」
狢(むじな)「願い事?」
狐(きつね)「流れ星が飛んだら、願い事を3回繰り返して唱えると叶うのよ。」
 
狢(むじな)「ええっ?それはほんとうか?」
狸(たぬき)「へえ、そりゃいいこと聞いた。ええと、願い事を唱えればいいんだな?」
狐(きつね)「3回繰り返してな。」
 
狢(むじな)「おおっ、飛んだぞ!」
狐(きつね)「コレステロールダウン・・・コレステロールダウン・・・コレステロールダウン!」
狢(むじな)「ええっと・・・お金・・・あ、いや、いい女・・・う、じゃなくって、タイムマシン・・・っていうか。ん〜世界平和!」
狸(たぬき)「1キロの特大ハンバーグに、デミグラスソース、エビフライを付けて、コーンスープとグリーンサラダ、そしてデザートにはチョコパフェ! あ、カプチーノも追加! 1キロの特大ハンバーグに、デミグラスソース、コロッケ・・・じゃなかった、エビフライを付けて、コーンスープとグリーンサラダ、そしてデザートにはチョコパフェとカプチーノ! 1キロの特大ハンバーグにデミグラスソース、エビフライと・・・
 
狐(きつね)「おい、何ごちゃごちゃ言ってんだ?もう流れ星は消えてるよ。」
狸(たぬき)「邪魔するな、まだ3回言い終わってないっ。」
狐(きつね)「だって、消えちゃったよ、流れ星。タイムリミット!受付終了!」
狢(むじな)「流れ星ってすぐ消えちゃうのな。」
狸(たぬき)「3回は無理だよ〜。」
 
狢(むじな)「そうだ、いい方法があるぞ!」
狸(たぬき)「なんだ?」
狢(むじな)「今度流れ星が飛んだらな、願い事を唱える時間の延長を願い出るのよ!」
狸(たぬき)「なるほど!むじな、頭いいっ!」
狐(きつね)「・・・」
 
狢(むじな)「あ、流れ星だっ! ユウコウジカンエンチョウ・・・ユウコウジカンエンチョウ・・・ユウキョ・・・うっ、舌かんじゃった!」
狐(きつね)「あ〜あ、消えちゃった。」
狸(たぬき)「ええい、まだるっこしいわい!こうなったら、流れ星を捕まえて、直談判だっ!」
狐(きつね)「?」
狸(たぬき)「太郎杉のてっぺんに登るぞ!まかせろ、おいらが行く!」
 
 
狐(きつね)「おお〜い、たぬき〜、あぶないぞ、もう降りてこいよ〜」
狢(むじな)「ジカンエンチョウ・・・ユウコウジキャ・・・うう、早口言葉は難しいな。トウキョウトッキョキョカキョ・・・。

かくして、その夜、鎮守の森で一番の大木、太郎杉のてっぺんには、捕虫網をぶんぶん振り回す狸の姿があったのであった。

注釈・流れ星が飛んだら3回願い事をかなえると叶う・・・。これは、世界各地、いろいろな民族に伝わる言い伝え。かつて、人々は、いったいどんな願い事を流れ星に向かって唱えてきたのだろうか?

「狐と狸がここだけ占い話」は、不定期更新です。鎮守の森の裏手を、たまに覗いてみてください。

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