ムーンラボカフェ

酒と酉の関係性。焼き鳥で一杯!

狐と狸がここだけ占い話

 夜更け、里山のほうから、鼻歌を歌いながら近づいてくる人影あり。

画像:coon

狐(きつね)「ふんふん〜ふふ〜ん、るんるんるん! おい、狸いるかあ?」
狸(たぬき)「・・・」
狐(きつね)「狸寝入りか?」
狸(たぬき)「・・・」
狐(きつね)「大丈夫だって、俺。オレ! 俺だってば。きつね!
狸(たぬき)「え? 俺俺詐欺かと思ったぜ。なんだって人間の若旦那なんかに化けているんだよ〜。」
狐(きつね)「あ、ごめん。仕事帰りの姿のままだった。ちょいまち、ビジネスモード解除!(どろん)」
 
狸(たぬき)「忙しいみたいだな。」
狐(きつね)「ん〜、ちょっと大きな契約が入ってな。ああ、接待は疲れるな。ほら、焼き鳥のおみやげ。酒もあるよ。」
狸(たぬき)「仕事って、こんなごちそうが食えるのか、いいなあ。」
狐(きつね)「必要経費だからな。今度、一緒に来るか?」
狸(たぬき)「でも、化けなきゃなんないし、働かされるんだろ?」
狐(きつね)「そりゃそうだ。相手に化かされないようにな。」
狸(たぬき)「?」
 
狐(きつね)「ま、飲めよ。」
狸(たぬき)「うまそうだな〜。ああ、そういえば、酒って、なんで酒なんだ?」
狐(きつね)「?」
狸(たぬき)「これ、酉っていう字に似てるよなあ。酉にさんずいを付けたら酒だ。」
狐(きつね)「うん、そうだな。」
狸(たぬき)「酒って、米から作るんだよな。」
狐(きつね)「そうだよ。」
狸(たぬき)「おかしいなあ、酒って、鳥から造ってたから酒なんじゃないか?」
狐(きつね)「まさか。」
狸(たぬき)「しかもだ、酉って、西にも似ているよな。なんでだ?」
狐(きつね)「・・・」
狸(たぬき)「なんでだ?」
狐(きつね)「さあな〜、スマホで検索するか?」
狸(たぬき)「・・・」
 
狐(きつね)「もしかしたら、鶏が東を向いて鳴くからかなあ。」
狸(たぬき)「なるほど。くちばしが東を向いたら、尾は西だなあ。」
狐(きつね)「酉という字をよく見てみろ。なんだか酒徳利に似てないか?」
狸(たぬき)「おお、そういえば!」
狐(きつね)「よくわかんないけど、西と酉と酒は似ているなあ。」
狸(たぬき)「焼き鳥は酒のつまみに最高だ! 西を向いて飲むとうまいかなぁ?」
狐(きつね)「月が西へ沈んでいくぞ。良い眺めだな。どれ、もう一杯!」

注釈・十二支では酉は西、秋にあたる。秋、穀物が実り、発酵して出来るのが酒。秋の陽射し、西日は、実りや発酵を促進させると考えられた。

「狸と狐が占い話」は不定期更新です。鎮守の森の裏手を、たまに覗いてみてください。

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