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占星解説 2026

2026年のマンデーンを読む

2026年のマンデーンを読む

 マンデーンを読むにあたって必要なもの、まず、春分図。
 春分図とは、春分の瞬間のホロスコープです。春分は太陽が黄道と天の赤道の交点のうちの1つ、黄経00度に太陽がやってきた瞬間。サイン牡羊のはじまり。これは、サイン牡羊(黄経00度)が12サインのはじまりであり、古代バビロニアでは、春分を年のはじまりとしていたことから。

 春分図の星の位置は、地球上のどこにいても同じ。が、国の春分図は、その首都で作成します。日本の場合は東京で作成。国々の首都の経度によって、上昇度数(正確には天頂の黄経度数)が異なります。
(東京の緯度経度としてホロスコープ作成ツールには139e46 35n42という数値が多く使用されているのですが、これは神田明神あたりの緯度経度です。日本の首都の緯度経度をどこにするのかについては、別記事で解説しています。)
2026年の春分は、 2026/03/20 23:47(JST)Tokyo
  太陽00Ari
  月20Ari
  水星08Pis
  金星17Ari
  火星14Pis
  木星15Can
  土星04Ari
  天王星28Tau
  海王星01Ari
  冥王星05Aqu
  上昇13Sag
 重要なのは上昇支配星(アセンダントルーラー)。2026年春分図の日本(東京)における上昇は射手13(13Sag)。射手のルーラーは木星、木星は蟹15(15Can)にあって7H。マンデーンでは7Hは他国との関係性、条約であり、貿易です。木星に対して、火星がトライン、水星もまあトラインでしょう。
 まずは、あいかわらずインバウンド(Inbound)の活性化。輸出ではない外貨獲得産業です。
 昨年は、上昇支配星の金星(逆行)が7Hにあり、インバウンドが過熱するトラブルもありましたが、2026年はどうなるのでしょう。インバウンド関連事業は増収でしょうが、宿泊費の高騰は続き、交通機関は混雑し、さまざまなトラブルも発生しています。環境事業の整備にもお金がかかります。
 ジャングリア沖縄では海外からの観光客向けに二重価格を設定しましたが、そうした動きも増えるでしょう。私は、二重価格については当然の動きだと思いますが、このあたりは賛否両論あるようで、おおいに議論していただきたいところです。
 木星に対し、火星と水星がトラインということを考えると、日本の文化や、あるいは特許が外貨を獲得している、というような流れも考えられるのでしょう。

 7Hは海外との取引ですから、輸入量も増えます。すでにして小麦も食用油も9割が輸入。大豆は9割以上が輸入に頼り、大豆がないと、醤油も味噌も豆腐も作れない。木星に対し4Hにある月はスクエア(矩)。月はマンデーンでは、食料をあらわします。輸入に頼る日本の食は不安定で、2025年にオリーブオイルが値上がりしたのは、オリーブの主要な産地であるスペインで旱魃が起こったからだそう。2024年のエンゲル係数は平均28.3%だそうですが、これはさらに上昇していくのでしょう。食費の引き締め、といっても限度があるので、エンゲル係数が上昇していくのです。といっても、では国内での食料自給率を頑張って上昇させたとしても、その結果、食料の値段が下がるというわけでもありません。いずれにしても、エンゲル係数は上昇し、人々の家計には余裕がありません。

 2026年の春分図(Tokyo)では木星だけが、地平線上にあります。
 木星とトライン(三分)をとっているのは3Hにある火星、もしくは水星。火星は、自由な立場にいる若者たちと考えてよいでしょう。木星のインバウンドを支えているのが、短期の雇用形態の人たち、水星は、特定の技術や資格を持った人たち。職場を、あるいは職業を渡り歩く「ジョブホッパー」でしょう。移動しやすいミニマムな暮らし方、コンビニやファストフードのヘビーユーザーでもあります。水星喪とラインですから、といっても、今や非正規雇用の割合は増加しており、たとえ正規雇用であるとしても、転職の頻度は高まっています。

 一方、太陽は4H、海王星土星とコンジャンクション(合)。星の配置は世界共通ですが、東経135度における天底が魚29、太陽は天底で、土星、海王星とのコンジャンクション(合)。「グローバリゼーションとナショナリズムの対立」という問題は、今後、ますます深刻化していくのでしょう。

 4Hの土星、そして海王星が意味するものは、不動産に関する相続問題かもしれません。地価の上昇により、相続税の支払いができずに不動産を相続できなくなる人たち。先祖伝来の土地というような神話は消え去っていきます。
 その一方では、売却できない負の不動産問題も発生しています。地価が下落するどころの話ではありません。相続したものの売却は難しく、維持費や管理費だけが発生していくというケースで、0円で土地を譲渡(手放す)するというケースも増えてきました。『相続土地の国庫帰属制度』を利用するにしても、費用は発生しますので。土地を持っていれば値上がりするという「土地神話」が崩れたのはバブル崩壊後の1991年以降。1990年に土星海王星コンジャンクションが山羊で発生していました。そして2026年、35年ぶりに土星海王星のコンジャンクションが牡羊で発生します。土星海王星は、2026年の日本の春分図では、天底にやってくる、つまりは土地、不動産に関する問題でしょう。あるいは、マンションの修繕積立金問題などもありそうです。
 天底の土星といったら、道路や橋梁も気になります。老朽化した道路や橋梁、トンネルなどの補修が困難になってくるのかもしれません。

 では、マンデーンを読むにあたって必要となる次の材料、惑星トランジットをみていきましょう。  土星と海王星は2025年のうちにかなり接近していたのですが、海王星は肉眼では見えませんので、木星土星のグレートコンジャンクション(大合)のように話題にはなっていません。土星が海王星を追い抜く形でコンジャンクションが発生するのが、2026/02/21 01:54。

 土星海王星コンジャンクションは約35年周期で発生します。

 前回は1989年~1990年、山羊で発生。天王星も山羊にありコンジャンクション(合)。日本が好景気にあった頃ですが、ベルリンの壁崩壊。そして昭和が終わり平成へ。1989年といえば、まだケータイよりもポケベルを持っている人のほうが多かった時代。株価は一時的に上昇し、地価も上昇しました。が、のちに下落。バブルがはじけました。1990年、木星は蟹を運行しています。

 その前の土星海王星コンジャクションは、1952年11月から1953年5月にかけて天秤で。天王星は蟹にありスクエア(矩)。直前の1952年4月、サンフランシスコ講和条約が締結され、第二次世界大戦後の高度経済成長期に入ります。1953年3月に「スターリン暴落」。スターリンの死をきっかけに平和が到来するであろうという予想から、軍需株が大暴落するのですが、その後、1954年から景気が上昇。1954年の木星も蟹を運行していました。

 さらにその前は1917年8月、獅子で発生。天王星がオポジション(衝)。第一次世界大戦のさなか、日本は「大戦景気」。しかしロシアで革命がおこり、レーニン率いるボリシェヴィキが政権を掌握。日本では生糸の相場が暴落。1918年にかけて不作に見舞われ、米騒動が発生。1918年、木星が蟹を運行していました。

 とまあ、土星海王星が会合する時期には、相場の急な上昇と下落が目立ちます。2026年は、土星海王星が牡羊、天王星は牡牛の終わりでセクステル(六分)ですが、木星は蟹を運行しています。
 株価の上昇は富の偏りですから、経済格差はますます広がっていくでしょうし、下落により、株価が下がった会社が買収され、下請け企業での解雇や失業も発生します。マネーゲームの結果、貧富の差はますます広がっていきます。それは世界中で起こるわけですが、2026年の日本の春分図では、特にその傾向が顕著になってきそうです。

 しかし、春分図だけでマンデーンを読みきることはできません。

 東京(東経139度44分)とソウル(東経126度58分)は近い場所にあります。日本と韓国は時差がなく、韓国はその標準時に東経135度を使用しています。

・日本(東京)の2026年春分図のMCは乙女29で上昇が射手13、
・韓国(ソウル)の2026年春分図のMCは乙女15で上昇が射手02。
 日本でも韓国でも、2026年春分図の上昇は射手、その上昇支配星は木星です。

 プラシーダスもしくはポルフィリー、アセンダントからハウス分割をしていくハウスシステムの場合には、木星のあるハウスが東京では7H、ソウルは8Hとなります。
 しかし、日本と韓国で、上昇も、上昇支配星のハウスも同じになる年も発生します。 その場合、日本と韓国に起こる出来事は同じでしょうか? いいえ、そういうことにはなりません。

 なぜなら、ネイタルの出生図にあたる国家開始図が違うからです。
 トランジットが春分図、ネイタルは各国家が成立した瞬間で、そこで使用するのが国家開始図です。
 国家開始図、日本という国家が始まった瞬間のホロスコープのことですが、神武天皇の即位というような神話の話をしているわけではなく、戦後に日本国が国家となった瞬間です。
 では日本国の成立はいつでしょうか。私はサンフランシスコ講和条約の発効日(1952/04/28 22:30JST Tokyo)を使用しています。日本政府がこの日を日本主権回復の日としているためで、2013年(平成25年)に第2次安倍内閣が定めたもの。(注・国家開始図の日時については、占星術家によって見解が異なります。)
 一方、韓国はというと、1948年8月15日に李承晩(イ・スンマン)初代大統領が大韓民国政府樹立を宣言しましたので、この月日(注・時刻は午前10時頃)を使用します。

 なお、日本において神武天皇即位が紀元前660年2月11日(注・グレゴリオ暦)であるというのと同じように、檀君朝鮮の起源は紀元前2333年10月3日(注・旧暦)とし、これを開天節としています。

 さて、サンフランシスコ講和条約の瞬間のホロスコープは、上昇が山羊00、上昇支配星の土星は天秤09、海王星の天秤19とともに天秤にあり、天王星が蟹10に。火星が蠍11に、そして木星は牡羊29。この国家開始図の配置は、戦後の日本の経済の流れを考える上で重要です。

 国家開始図の天王星は蟹10にあり、2026年春分図の7Hにある木星が、天王星を通過します。なるほど、天王星を通過する木星。それが株価下落(場合によってはその後、回復)というストーリーを意味していたのでしょうか。
 1990年、木星が蟹を運行し(国家開始図の天王星を通過し)、山羊を運行している土星海王星とオポジション(衝)、天王星も山羊にあり、すでに書きましたが、1989年に好景気のピークを迎え、1990年に株価が急落するのです。
 1952年11月から1953年5月にかけて、天秤での土星海王星、天王星は蟹にありスクエア(矩)、第二次世界大戦後の高度経済成長期に入りますが、1953年3月に「スターリン暴落」、その後、回復。

 最近の金融関連のサイトで、「日本株は復活する」とかいう見出しをみかけることも多いのですが(そのように書けばそれは売れるのかもしれませんが)、本当でしょうか?しかし、1990年は回復せずに、そのまま「失われた30年」に突入。いやこれは「失われた35年」というべきなのでしょうか。
 2026年には、復活するものとしないものが2分化されるのでしょう。かなりリスクの高いマネーゲームにより、ますます貧富の差が開いていく。資本主義社会が終焉へ向かう予兆の1つが貧富の格差の拡大です。
 (自分のせいでもないのに)貧しさの中にいる人たち救済するのは国家の仕事ですが、貧富の格差の拡大によって、国家の負担がどんどん増えていく、それが資本主義社会の終焉です。だったら日本を脱出すればいいだろう、という人たちも当然いるわけですが。

 資本主義社会の次に、なにがやってくるのかは不明です。「新しい資本主義」と言われているものがそれにあたるのでしょうが、その実態は曖昧です。つまりは「国家資本主義(こっかしほんしゅぎ)」へと進むしかない、ということになるのではないでしょうか。発展途上国の多くが国家資本主義であると指摘されますが、貧富の格差を拡大させないための国家資本主義もありうるのではないでしょうか。

 土星海王星の会合図については、2026/02/21 01:54(JST)牡羊00。
 (以前にも書きましたが)、海王星土星は曖昧さを管理しますので、現金の匿名性が失われていく。日本においては土地の登記を徹底させることが、海王星土星の役割になっているのかもしれません。

 さて、自民党総裁選の石破茂氏、1957年2月4日生。出生時刻が不明ですが、不明のままでは四柱の命式は出せない、というかなり困難な月日の生まれです。だって2/04は節入り、さらには年干支の切り替わりにあたり、時刻がわからなければ、月柱どころか、年柱までもが不明となります。(注・1957年の立春は02:09Tokyoなので、たぶん年干支は丁酉(ひのととり)の可能性が高いですが。)
 その点、ホロスコープは時刻不明の場合、上昇度数がわからない、月の度数が曖昧になるということだけを除けば、なんとか星の配置を描くことはできます。
 政治家は月が大事というのはよく言われること。もしも遅い時間の生まれで、月が牡羊であった場合ですが、土星、天王星のグランドトライン。そして水瓶太陽と獅子天王星のオポジションがあるので、たしかに人気運に恵まれています。「石破さん辞めないで!」という激励デモが2025/07/25に行われたことがニュースになりました。やはり月土星天王星のグランドトラインではないでしょうか。政治家には人気は大事です。が、カリスマ性は必要ありません。厳しい時代の中で、人々は政治家にカリスマ性を期待してしまっていますが、政治に必要なのは、一人のカリスマの独断ではなく、大勢の人たちの意見の採用です。

 おわりに。毎年書いていることですが、占星術とは星の配置によって地上の運勢を読みとる術です。しかしそれは「星の配置に地上の運勢が左右される」ことではありません。地上の動きを知らなければ、天を仰いでも何もわかりません。私の師同然であったルル・ラブアさんは、「新聞を読みなさい、経済学を勉強しなさい、世の中を知りなさい、でなければマンデーンはできない」とアドバイスをくださいました。占星術を学んだだけで株で勝てたりはしません。株の専門家が占星術をやってこそ、知識を活かせるのです。
 予兆を読みとるのがオカルティストと称される人々ですが、オカルティストは占い師であるとは限りません、科学者、政治家、そして芸術家かもしれません。ただし、オカルト理論にはおおいなる勘違いもたくさん含まれています。99の瓦礫とたった1つの原石。そのぐらいの比率かとは思いますが、マンデーンから役立つ何かをひとつでも読みとっていただければ幸いです。

占術研究家 秋月さやか

2026年 春分図

1957/02/04

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