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大いなる天空の時

 古代エジプトでは、シリウスが明け方の東の地平線に姿をあらわした時を新年として、ナイル河の氾濫を知るためのシリウス暦が用いられていました。これはつまり、恒星暦です。

 最古の暦として形になって残っているのは、紀元前7世紀頃、アッシリアのアシュバニパル王の時代に編纂されたもの。それは月の満ち欠けをひと月とし、太陽の周期を一年とするために、12ヶ月と閏月を置いた太陰太陽暦でしたが、この形式の暦は、その後世界各地で多く使われました。

 

 カルデアの占星術たちは、星を眺め、暦を編纂するうちに、木星が天空を1周する時の周期は約12年、土星は約30年かかることを知ります。

 さらに、もっと別な時の周期、すなわち、日蝕、月蝕のサイクルであるサロス周期が18年と7ヶ月であること、さらに、天空の北を指している地軸が僅かづつ天空を円移動していく歳差現象の周期が、2万5千8百年であることなども、すでに知っていたとされます。

 

 「万物は数」としたピタゴラスの弟子であるプラトンは、地球の地軸が移動する歳差運動によって、春分点もまた移動し、天空を一巡するのに2万5千8百年を要することをその著書に書き記しました。これは古代バビロニア占星術から受け継がれた知識ですが、この25800年は、プラトン大年と呼ばれます。

占術研究家 秋月さやか

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