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12星座宮の暦

 古代の人々は、夜空に輝く星で、季節を知りました。それは言い伝えからも知ることができます。たとえば、北斗七星。北半球では、北斗七星の姿が見えにくい時期は冬です。だから北斗七星の星並びは、大熊の姿にたとえられることが多いのです。ギリシャ神話の大熊座は有名ですが、ギリシャ神話だけでなく、北斗七星を熊や猪などに見立てる言い伝えは、世界各地にあります。つまり、熊は、冬は冬眠していて、姿を見せない、というわけなのです。

 山羊座はなぜ半身を水に浸し、水瓶座は水瓶を担ぎ、魚座は川を泳いでいるのか。それは、これらの星々が夜明けの空に昇る頃が、雨季にあたっていたことに関連しているのではないか、と考えられています。

 暦を作る、これは古代においては、とても重要でした。しかしそのために、まずは、1年間の長さを知らなければなりません。

 古代の遺跡、ストーンヘンジにしろ、ピラミッドにしろ、それらの建造物が、天体観測所の役割をかねているのはそのためなのです。

 ストーンヘンジやカルナックの環状列石遺跡は、夏至の時の日の出の方向に対応して建造されています。古代バビロニアのジグラッドやエジプトのピラミッドは、星辰信仰の神殿であると共に時を計る天文観測所でした。

 太陽、月の位置と、地上の方位との関係性。天空を移動する位置を調べるために、惑星の通り道である黄道近くの星座が目印になりました。天空を移動する惑星に対し、ほとんど動かないように見える恒星は、天の目印と考えられたのです。

 占星術師たちは黄道を中心に、全天をほぼ12等分の空間に分け、その目印に、目立つ星を選びました。さらには、目立つ星、あるいはその周囲の特徴的な星並びから、12の星座を決めました。それが黄道12星座です。

 春分点から始まって、牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座。なぜ12区分だったのかについてはさまざまな説がありますが、おそらく月の満ち欠けが1年間で約12回であることに起因しているのでしょう。

 天空の12星座を移動する太陽の位置によって、それは12ヶ月を計る天空暦となりました。牡羊座に太陽がある時期は牡羊座月。牡牛座に太陽がある時期は牡牛座月。双子座にある時期は双子座月…。そう、これが現在、何々座生まれ、と呼ばれている占星術の誕生星座にあたるのです。

 天空の星々の位置さえ把握してしまえば、1年の暦を知ることは比較的容易だったようです。夜、輝いている星を調べれば、その反対側に太陽があるわけですから! 星座は、人々の想像力をかきたて、天界の神話を創り出しましたが、実際、暦としても大変役立つ目印だったのです。

占術研究家 秋月さやか

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