占星術概説
天空を巡る時
人々と星との関わり合いは、太古の昔、人々が空を見上げるようになったその時から始まりました。
人々は、太陽の巡りによって昼と夜が繰り返されることを知ります。日没後、夜空に輝き出す細い光が次第に満ち、まん丸な円になると、今度は欠け始め、姿を消す。そして再び、その姿をあらわし、満ち始め・・・。季節によって、輝きや並びが変化して見える星々。その変化と共に移ろう季節。人々は、いつしか、夜空に見える星々の輝きと、季節の巡りが連動していることに気づきます。
現在では、時とは、時計や暦によって計られるものと考えられがちですが、本来、時は天空と共にありました。太陽が地平線上に昇れば朝、頭上に輝けば昼、地平線に沈めば夕。そして夜空に巡る星々の方角が時を示します。つまり、天空はそれ自体が大きな時計なのです。地球の自転によって生み出される一日、月の満ち欠けによって繰り返す一月、地球の公転によって計られる一年。それらはそれぞれ、時計の秒針や短針や長針にあたり、地上の時を刻んでいます。
その回りの空間を、水星や金星、火星などの惑星がそれぞれの法則に従った時の周期で動いていきます。そして一番外側を文字盤のようにきらめく星座が取り巻く…。それは、果てしない星空のきらめきの中で、永遠に時を刻みつづける天空時計なのです。
占術研究家 秋月さやか
筆者の活動・講座 > 占星術概説 天空を巡る時
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