天の風水、地の暦
…風水と四柱推命の接点…


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 東洋、とりわけ古代中国の占い体系は混沌としている。十干十二支、八易、九宮が、それぞれ異なる理論体系を持ちながら、ひとつの盤の上に一体となっているようなところがある。
 ここではまず、空間の風水と、時の四柱推命の接点を論じてみたいと思う。四柱推命は言うまでもなく、暦占である。それに対し、風水は本来、地勢による運気の状態を観るものであった。となると、一見異なる占術である。
 風水は方位を基本的には8に(後に二十四方位に)分けて考える。四柱推命は、時を12(あるいは24)に区切って考える。
 風水は地勢による運気を観る。しかしこれも実は暦に関係しているのである。(注・ここで論じる風水は、九宮、あるいは九星気学の風水とは無関係。)
 すなわち、風水の二十四方位と、十二支(二十四節気)暦の関連である。北という方位は北極星を指す北を意味すると同時に冬至を意味する。南という方位が、太陽の南中をあらわすと同時に、夏至を意味するのである。
 もちろん、方位と暦は、もともとはまったく別に発生したものである。が、方位は太陽(あるいは季節風)と関連があった。そのため、人々は方位と時の巡りをどこかで関連付けて考えることになったのである。北東という方角に、侵しがたい神聖さを見出していることと立春の関係性を考えてみると良い。
 そもそもが、十二支暦は、天空という空間を巡る太陽の位置から生み出されたものである。それこそが天の風水ではないのか?
 また、風水において地勢という形だけですべてを論じることは難しい。なぜなら、この世界は空間だけは成り立たず、時が絡んでこそ、始めて運命は動きだすからである。

 ランドスケープデザインとは空間のデザインであり、ほぼ風水と同義であると考えるべきかと思う。そして空間の中を巡る時、これはまさしく二十四節気の太陽ではないのか。風水だけでは世界は完成しない。そこに時の要素が絡まなければ。そして風水に時をもたらすのはまさしく太陽であろう。